読者の悩み
症例報告を論文にしないといけないけど、まず何から手をつけたらいいの?
臨床で忙しいからとにかく効率よくやりたい臨床で忙しいからとにかく効率よくやりたい
そんなお悩みにお答えします。
この記事を読むことで症例報告を論文にするためにまずは何から手をつけたらよいのかがわかります。あれこれ考えている時間がなくなります。
この記事を書いている私は2016年からこれまでに症例報告を英文で1編、日本語では4編指導して掲載させています。原著論文は2篇筆頭、1編指導しています。論文の書き方は完全に独学でここまできました。その方法をお教えします。
参考文献を30編集めて読む
論文にする症例が決まったらまずやること、それは参考文献を30編ほど集めて読むことです。そんなにかよ!となった方もいらっしゃるかもしれませんがそのくらいは必要だと思います。理由はゼロから書くことの方が大変だからです。何もないところから創造することは症例報告の論文化には必要がなく、現在までに発表されている論文を参考にして独自のスパイス(症例報告で言いたいこと2つ)をパラパラ振りかけて完成としたほうが圧倒的に早く楽だからです。参考文献とは論文執筆を楽にするため、書き切るための栄養剤と考えるとよいでしょう。
具体的には医中誌もしくはPubMedで調べていきます。論文にする症例は既に診断名があるでしょうからそれをまずキーワードとして検索します。最新のものから見ていきましょう。タイトルを見てまずは広めに収集しておくことが大事です。この段階で使える文献か使えない文献かは判断しなくてよいです。まずは集めることです。次にターゲットとする雑誌の最新の論文を検索・収集します。病気の種類が違っても関係ありません。10編ぐらいは見ておくと傾向がつかめると思います。症例部分の細かい表記の仕方を真似るためと、考察の段落毎にどんなことが書かれていいるのか確認し、それを真似ます。まったくのオリジナリティーで考察を書いてもまずだめだと思います。考察の第一段落にはこういうことを書いて欲しいだろうなということを明らかにするために文献に目を通します。最後に似たようなストーリーの論文を検索・収集しておいて考察の展開の仕方を参考にします。これも分野が違ってもよいです。例えばある病気が長期経過で再発し、それに対する治療について論文にするとします。ある病気の部分を置き換えて同じストーリーで論文化されているものを探しだすと考察を書くのが非常に楽になります。展開を真似るのです。
まとめます。
- キーワードとなる疾患そのもので検索・・・15篇ぐらい
- ターゲットジャーナルを検索・・・10篇ぐらい
- 似たストーリー展開を検索・・・5篇ぐらい
論文はどのように読んでいくのがよいのでしょうか?私は今だに紙ベースで読んでしまっています。通勤中4,5編まとめて読んでいます。イントロ、考察を中心にどんなストーリー展開かに着目して読みます。雑誌によっては教科書的な記述を考察に求める場合もあるのでそのあたりの特徴を掴んでおきます。
紙ベースで読むのと同時に文献管理ソフトに収集することもやっておいてください。
今回は以上となります。