研究テーマを探すー論文にすることだけを目標にする場合ー

Academic

自分の悩み 2015年頃

資格取得のために論文を書かなければいけない状況でした。

そのためには研究テーマが必要でしたが何から手をつけたらよいのかわかりません。まとまった研究費もなくできる

ふとしたことをきっかけに自分でテーマが決めることができ、論文を書ききることができました。

論文を書かなければいけいないけれどテーマがないから動けない方のお役に立てる内容だと思います。

今回はその「ふとした」ことをお話します。似たような考え方が書かれていた書籍もご紹介します。

これを読むとここまでできる

論文のテーマを決めて、少なくとも動き出すことができるようになります。動き出すことで足りないことが出てくると思いますがその都度調べていけば問題ないと思います。まずは何かをやることです。そのための足がかりです。

「ふとした」こと

研究テーマを模索していたある日、とある学会の抄録集が送られてきました。パラパラ眺めていると研究費がなくてもできそうなテーマがありました。ただ対象としている疾患は自分の領域外でした。

ここで、「そのテーマを自分の研究領域のものに置き換えてみたらどうだろう?」とひらめきました。ひとまずPubmedでキーワード検索したところまだ誰も着手していない領域であることがわかりました。

つまりゼロからテーマを見つけたわけではなく、既存のテーマを自分の領域に置き換えてみたということです。

具体的にシンプルに説明します。大腸癌を対象とした研究テーマを口腔癌に対象を変えておこなった、ということです。これだけみると、「えっ、これだけ?」、「パクリでしょ?」となると思います。

似た考え方が書籍になっているのでご紹介します。

異なる疾患・臓器の先行研究が、自分たちのフィールドで成り立つか?(他の領域に目を向ける)

木下晃吉氏 時間がなくても、お金がなくても、英語が苦手でも、論文を書く技法 臨床医による臨床医のための3Step論文作成術 p23 

何気なく自分が考えてやっていたことが事細かに説明されており、出会ったときにはかなりびっくりした本です。忙しい中でも論文を書こうとする勇気と具体的な手法が書かれているおすすめの本です。

あなたの目的は何なのか?

論文を書く目的は様々です。①未開拓の領域を切り開き今後の医療を変えていきたい方、②学位取得のために書く方、③資格取得のために仕方なく書く方。①、②の方にとっては本記事の内容は全くためにならないと思います。しかし最も多いのは③の方なのではないかと思います。

あなたの目的は何ですか?③であれば迷いなくこの方法で論文テーマを決めることができます。

「えっ、これだけ?」と言われる方へ

これだけです。しかしやることは結構あります。

  1. 他領域の先行研究を読んで最低限の内容理解する
  2. その研究内容を自己の研究領域に応用できるか考える
  3. 自己の研究領域でこれまでに報告がないかどうか調査する

以上をクリアして、かつこれまでに論文として報告がされていなかったら研究テーマとして初めて成立するわけです。1,2までは自動でできます。しかし3ですでに論文があったりするとふりだしに戻ってしまいます。

「パクリでしょ?」と言われる方へ

実は、はじめは自分もそう思いました。しかし、よくよく考えると研究手法が似通っていても研究対象が全く異なりますから、新規に仮設をたて新たな患者群でデータを収集し考察までして形にするということで論文の盗用・剽窃には該当しません。もちろん参考にした先行研究は引用します。

どんな先行研究の論文を読めばいい?

自分の領域から考えてみると下記がよさそうです。当たり前の内容ですが一応書きます。

  1. 口腔癌の論文を書きたい→もちろん他癌の論文、しかし内容豊富でどこから手をつけてよいのかわからなくなるかもしれない。バイオマーカー系がおすすめです。
  2. 粘膜疾患→皮膚科系でしょうか?癌の論文も応用できそうです。
  3. 顎関節、顎変形症→整形外科系の論文でしょうか。骨を扱うので。
  4. その他:周術期管理系で言えば外科系の論文がすべて参考になると思います。

まとめ

本記事では研究テーマの具体的な決め方をお話しました。悩んでいるよりもまずはやってみることが大事だと思います。

ゼロからテーマを見つけるのではなく、既存のテーマを自分の領域に置き換える

やることは下の3つです。

  1. 他領域の先行研究を読んで最低限の内容理解する
  2. その研究内容を自己の研究領域に応用できるか考える
  3. 自己の研究領域でこれまでに報告がないかどうか調査する

今回は以上になります。

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